本記事は、Twitterで繋がっている方が企画されたBloggerユーザーを中心とした期間限定のイベント、"Google Blogger Advent Calendar 2019"への参加記事になります。
前回のエントリーで、日本のブログプラットフォームと特有の文化、Bloggerの歴史、提供される機能などを比較紹介しました。
今回は、Google Trendsを使用して、世界や日本におけるBloggerの検索動向やWordPressとの比較を行います。
Google Trendsとは?
Google Trendsは、さまざまな地域や言語でのGoogle検索の上位の検索クエリの人気を分析するGoogleが提供するツールです。特定の検索クエリのトレンドや関連情報などを期間を指定して比較したりすることもできます。Bloggerの検索トレンドを分析する上で考慮すべきこと
Bloggerは、Googleの提供するブログサービスプラットフォームの名称ですが、ブログをする人をブロガー(Blogger)と呼んだり、インドの医療スクールの名称でもあります。また、一般名称として検索される場合もあります。
そのため、Google Trendsでは、Bloggerを以下の4種類に分けてそれぞれについて調べることができます。
ここでは、Blogger(サービス)を選んで、Googleが提供するブログサービスのBloggerの検索トレンドを調べます。WordPressについては、一般検索、ダウンロード可能なソフトウェア、WordPress.com(ホストサービスを含む)の3種類から選ぶことができます。
レンタルサーバーなどにインストールして使用するWordPressは、ダウンロード可能なソフトウェアのWordPressになります。
過去5年間の全世界におけるBloggerとWordPressの検索興味比較
以下は、Google Trendsで過去5年間(2014年12月21日から2019年12月7日まで)の全世界でのBlogger(Service)とWordPress(Downloadable software)を比較した結果です。
2014年12月から2015年4月頃までは、Bloggerの方が検索での興味が高く、その後、WordPressが追い抜いて、現在に至っています。WordPressは、現在、CMSで圧倒的なシェアを持っています。検索での興味も当然、WordPressの方が高いですが、Bloggerも意外と健闘しています。
Bloggerが人気の国・地域は?
以下は、検索の割合で地域を比較した図です。青はBloggerの検索比率がWordPressよりも多い地域、国です。赤はWordPressの検索がBloggerよりも多い地域です。中南米、アフリカ、東南アジアでは、Bloggerの方がWordPressよりも検索比率が高いです。以下は、特にBloggerの検索比率が高い国です。ヨーロッパでも、フィンランドやスペインは、Bloggerの方がWordPressよりも検索されています。
マレーシア、インドネシア、エクアドル、コロンビア、メキシコでは、特にBloggerの人気が高いことを示しています。
ここでの比較は、過去5年で行っています。比較の期間を1年にした場合は、WordPressの比率が少し高くなります。
ここでの比較は、過去5年で行っています。比較の期間を1年にした場合は、WordPressの比率が少し高くなります。
アメリカでのGoogle TrendsのBloggerとWordPressの比較結果
中南米、アフリカ、東南アジアでは、検索におけるBloggerへの関心がWordPressより高い結果となっていますが、アメリカではどうなのかと思われる方もいらっしゃると思います。以下、アメリカでの結果です。
WordPressの方が、Bloggerよりも関心が高い結果となっています。しかし、指標の比率としては、BloggerはWordPressの半分程度で、興味度が極めて低いというようなことはありません。
米国のAdSenseのエキスパートが運営されているブログは、Bloggerがほとんどです。
BloggerがWordPressよりも人気がある・興味を持たれる理由
WordPressは、サーバー上にインストールして利用します。このことは、WordPressを利用するためには、サーバーを保有、またはレンタルする必要があります。ブログ大国日本😉では、レンタルサーバーのサービスも普及していますが、世界的に見た場合には、サーバーを簡単にレンタルできない国、地域もあります。サーバーをレンタルするよりも、簡単手軽にブログを始めることができるBloggerの人気が高い国や地域も少なくないと思われます。
ホスティングサービス(サーバー)を含めてWordPressを利用するWordPress.comもあります。BloggerとWordPress.comを比較した場合には、圧倒的にBloggerの人気・興味度が高いです。
日本では明らかにマイナーなBlogger
冒頭で紹介した過去5年間の全世界におけるBloggerとWordPressの検索興味比較と同条件で、地域を日本にした場合には、以下のようになります。日本では、WordPressの人気・興味がBloggerとは比べ物にならないほど、圧倒的に高いです。
世界で見た場合には、過去5年の検索トレンドは、WordPressとBlogger共に下落傾向が見られますが、日本では上下の変動はあるもののWordPressは、一定の人気を保っていることが分かります。
日本では、ブログやサイト運営の人気が高いことを示していると思います。
2019年8月時点で公開されたW3Techs市場調査の結果では、日本のCMS市場においてWordPressは82.4%のシェアを持っていると発表されました。日本は、世界で一番WordPressが普及している国です。
今回の比較は、Google Trendsを使用した検索におけるユーザーの興味度、シェアの比較です。実際の市場シェアとしては、WordPressは、世界でも圧倒的に普及しています。今回、紹介したように日本と全世界では、WordPressとBloggerの検索トレンドの傾向や比率などが大きく異なっていることは明確です。
日本ではBloggerは(極めて)マイナーであることは事実です。しかし、世界的に見た場合には、マイナーではないということは、Google Trendsの比較からも物語っています。
コメント