本記事は、Twitterで繋がっている方が企画されたBloggerユーザーを中心とした期間限定のイベント、"Google Blogger Advent Calendar 2019"への参加記事になります。この企画のコンセプトは、日本のブログプラットフォームと比べて、ユーザー同士の横の繋がり機能が貧弱なBloggerユーザーでも、たまにはユーザー同士で繋がって、Bloggerについて記事で述べあってみるという様なものです。
この企画は、有志が記事を投稿する形式で、12月1日から25日まで間、開催されております。本エントリーは、12月5日投稿分となり、5番目の記事となります。既に投稿された方々の記事には、ブログ利用の歴史やブログを始めたきっかけなどについて書かれていて、とても興味深く拝読しました。
せっかくの機会なので、ここでは日本のブログプラットフォームと特有の文化、Bloggerの歴史、提供される機能などを比較紹介します。
日本はブログ大国!
2000年代前半から、日本は世界的にブログユーザーが抜きん出て多い国として知られています。以下、主な日本のブログサービスとその開始年です。- 楽天ブログ(2001年 楽天広場の名でサービス開始、2006年楽天ブログに名称変更)
- ココログ(2003年サービス開始)
- Seesaa ブログ (2003年サービス開始)
- livedoor Blog(ライブドアブログ: 2003年ベータ版を開始)
- アメーバ(2004年サービス開始)
- FC2(2004年サービス開始)
- エキサイトブログ(2004年サービス開始)
- goo ブログ(2004年サービス開始)
- JUGEM(2004年サービス開始)
- So-net blog(ソネットブログ、2004年ベータ開始、2019年SSブログに名称変更)
- Yahoo! ブログ(2005年ベータ開始、2019年サービス終了))
- 忍者ブログ(2006年サービス開始)
- はてなブログ(2011年ベータ版サービス開始、2013年正式版サービス開始)
多くのサービスが2000年代前半に開始しています。数多くのブログサービスが存在することは、日本国内のユーザーが多いことを物語っています。他の言語では、このように多くの単一言語によるブログサービスは、世界に類を見ないと言っても過言ではないと思います。
以下、過去のユーザー数などのニュースを一部紹介します。
2009年のブログファン(当時のブログ情報提供サイト)による独自の集計結果では、当時3強と呼ばれたブログサービスの月のアクティブユーザーは、アメーバブログ115万、FC2ブログ43万、Yahoo!ブログ25万でした。同年、他の市場調査でも同様に上記3強と呼ばれるブログサービスの利用率が高い結果となっています。(利用者数、アメブロ、FC2、Yahoo! ブログが3強―Blog サービスに関する調査)
2011年8月にコムスコア・ジャパンが発表したPC版ネット視聴率調査データベースによる調査結果レポートでは、ブログへの訪問者数は、前年比7%増加し、FC2ブログが4670万以上のユニークビジター数で第1位、ライブドアとアメーバブログが続く結果となりました。
現在、幅広く多くのサイトで利用されているWordPressは、2003年に最初のバージョンがリリースされました。2000年代は、日本のブログサービスが種類も豊富で手軽に利用できるため、WordPressは日本ではほとんど存在感がありませんでした。世界的にもWordPressの普及が広がったのは、2010年代に入ってからです。
日本でWordPressが急激に普及したのは、2015年頃以降からの印象が強いです。レンタルサーバーに簡単インストールなど環境が整い、レンタルサーバーのアフィリエイトプログラムを利用して、積極的に宣伝するサイトも多く、ブログによる収益化を目指すユーザーも増えたことなどから、爆発的な普及を遂げました。
日本のブログサービスの中では、後発に属するはてなブログですが、日本特有の繋がりを利用したブログユーザー間による相互の記事紹介やはてなブックマークなどによって、検索で上位に表示されやすい優位性がある(あった)ことなどから、2010年代半ば以降、ブログでお金を稼ぐというような動機で始めるユーザーにとっては、WordPressと並ぶかそれ以上に最有力の候補のブログサービスとなりました。(状況は変わりつつあります。)
一方、2010年代の初め頃までは、日本のブログサービス3強の一つとして利用者も多かったYahoo!ブログは2019年12月15日にサービス終了となることが発表されています。
FC2も以前のような存在感は薄れてきているように思います。一方、アメブロに関しては、以前と変わらず、日本において最も普及しているブログとして、存在感があります。アメブロは、芸能人や有名人などのブログで人気を得て普及した歴史があり、その持ち味を今も継続しています。
日本のブログ市場を振り返ってみると、変化もやはり大きいと思います。一方で、冒頭で紹介した日本のブログサービスの多くは今もサービスを継続している所が多いです。このことは、依然としてブログサービスの利用者が多いことを物語っています。
Bloggerの歴史
多くの国産ブログサービスがある中で、米国企業Googleが提供するBloggerの存在感は薄くなりがちです。しかし、世界的にはBloggerは、ブログサービスの老舗であり、世界中に多くの利用者がいます。Bloggerは、長い歴史を持っています。
Bloggerは、1999年8月23日に、Pyra Labs(パイララボ)によってリリースされました。Bloggerは、ブログ公開ツールの最初の一つと認知されており、ブログ黎明期の中でフォーマットを普及させたことでも評価されています。(ソース:英語版WikipediaのBlogger)
2003年にPyra Labsは、Googleに買収されました。Googleに買収されたことにより、Bloggerはそれまでは有料で提供されてきた機能も無料で利用可能となりました。Pyra Labsの共同創業者のEvan Williamsは、2014年10月8日Googleを去り、ポッドキャストの会社Odeoを共同で立ち上げました。
Odeoのボードメンバー(取締役・経営陣)によって行われる丸一日のブレインストーミングセッションのツールとして、SMSのサービスを使用して小さなグループ内のコミュニケーションを行うアイディアが提唱されたプロジェクトを元にTwitterが生まれました。
Bloggerを去って、Odeoを立ち上げたEvan Williamsは、2007年4月にTwitterを共同創業者の一人として発足させました。Williamsは、2008年10月にTwitterのCEOになっています。
解釈の仕方によっては、BloggerとTwitterは、同じ親を持つ兄弟とも言えます。
WilliamsがGoogleを去った翌年の2004年、GoogleはPicasaを買収し、写真の共有ユーティリティーHelloと共にBloggerに統合しました。同年、Bloggerは大幅なデザイン変更を行い、ウェブスタンダードに準拠したテンプレート、記事の独立したアーカイブ(ラベルの一覧ページの機能などです)、コメント、Eメールによる投稿の機能などを追加しました。
2006年8月、Bloggerはコードネーム、"Invador"の最新ベータ版を市場に導入しました。この変更は、Googleのサーバーに移行し、他の言語のインターフェースを含む新しい機能が含まれたものです。2006年12月に正式版が導入され、2007年5月までにBloggerは、Googleが運営するサーバーへの全移行を完了しました。
2009年9月、Blogger誕生10周年を記念した一環として、新しい編集インターフェース、画像の取扱の向上などを含む新機能を追加しました。
2016年の時点で、Bloggerは60の言語で利用可能となっています。世界中で利用できる無料ブログプラットフォームとして存在しています。
Bloggerはマイナー?
日本ではマイナーなイメージもあるBloggerですが、2007年のユニークビジター数では、トップ50のドメインの16位を獲得したとのデータがあります。当時はかなりの訪問者数があり、市場での存在感もあったと記憶しています。個人的な印象では、英語圏でブログを行う場合には、Bloggerがまず頭に浮かぶような突出した存在でした。
Alexaのサイトランキング
ウェブサイトの利用度などのランキングとしては、Alexaのランキングが世界的に有名です。
2019年12月5日時点の blogger.comの世界ランキングは184位です。以前と比べると下落していますが、世界中のサイトの中で200位以内に入っているのは、依然として有力な存在です。blogspot.com の世界ランキングは22位です。blogspot.comのデータは、Googleプロダクトのブログなども含まれていること、独自ドメインのブログなども含まれている可能性があるため(独自ドメインもBloggerではあるので、集計としてはおかしくはありません)、非常に高い位置にあります。
wordpress.comは、Alexaの世界ランキング51位です。
主要な日本のブログサービスのAlexaランキング
2019年12月5日の主要なブログサービスのランキングは以下になります。
- アメーバブログ(ameblo.jp): 337位
- はてなブログ(hatenablog.com): 781位
ブログサービスではありませんが、yahoo.co.jpは28位です。
日本国内のユーザーがメインで、世界ランキング300位台や700位台は本当に凄いです。
Alexaのランキングで見た場合、日本の主要なブログサービスはとても高い順位にありますが、Bloggerはランキングとしてはさらに上に位置します。日本ユーザー主体と全世界のユーザーを対象にしたサービスなので単純には比較はできませんが、世界全体で見た場合には、Bloggerがマイナーでないことは明らかです。
日本のブログサービスとBloggerの機能の違い
日本のブログサービスには、利用者間で繋がるようなコミュニティ形成機能が充実しているのが特徴です。
例えば、アメブロの場合には以下の様な機能が提供されています。
- ペタ:記事を読んだことをブログ運営者に伝える。ペタ返しなども期待できる。
- 読者登録:読者登録することで、ブログ運営者に読者となったことを伝え、相手からも読者になってもらうような効果も期待できる。
- アメンバー:特定のメンバー向けに記事や写真、動画を限定公開する。
- ブログネタ:ブログのネタとなる話題を提供することで、そのネタを利用したり、ネタを使った記事で参加するような投稿促進効果が期待できる。
- ランキング:アクセス数に基づいたブログランキングを公開。月間ランキングの上位入賞者には、報酬が支払われる。
日本のブログサービスの場合は、ほぼ全て何らかのコミュニティ形成促進機能が提供されています。
Bloggerの場合は、プロフィールに場所、仕事、趣味、お気に入りの映画、音楽、本などを設定すると、プロフィールページに登録した場所がリンクで表示されます。リンクをクリックすると、共通の設定を行っている他のBloggerブログ、ユーザーのリストが表示されます。共通の趣味や興味などを持つBlogger仲間を探して繋がるのに役立つ機能です。この機能はあまり知られていないかもしれませんが、使い方によっては、お気に入りのBloggerブログを見つけることができる可能性があります。詳しくは、Blogger ユーザープロフィール機能と設定方法をご覧ください。
Bloggerでは、ユーザープロフィール機能がありますが、コミュニティ形成促進は、日本のブログサービスと比べるとかなり見劣りする所があります。
尚、WordPressの場合は、コミュニティ形成機能はありません。(WordPress.comには、Bloggerと同様かそれ以上のエンゲージメント(交流)機能がありますが、日本のブログサービスとは比べ物になりません。)
日本のブログサービスは、日本の会社が日本人向けに専用に設計したツールとも言えるので、世界標準のブログ仕様とは異なるところも多々あります。多くの日本人が日本のブログサービスが使いやすく、繋がることも簡単にできるので好まれるのも十分に理解できます。同様に日本では、Bloggerがマイナーな存在であることも理解できます。
Google Trendsを使用して、地域別のBloggerとWordPressの検索トレンドなど比較した記事を投稿致しました。
繋がりはTwitterだけでは物足りない??
2010年代も終わり、2020年代に入ろうとしています。ブログやサイト運営の環境も以前と変わってきているところも多々あります。サイトやブログを運営する人は、Twitterを利用している方が多いと思います。
WordPressのサイト運営者の場合は、コミュニティを含めソーシャル的な活動は、Twitterを中心に行っていることが多いです。Bloggerのブログ運営者でも、Twitterを利用すれば繋がりもできたりします。個人的にはそれで十分だと思うのですが、多分、私は一般的な日本人の感覚ではない所があると思うので、そうは思わない方も多いのだろうと思っております。
また、今回の企画、”Bloggerだってつながりたい”に参加して、私でも(ですら)、楽しいと思う所があります。😉 きっと他の参加者の方も楽しんでいらっしゃる方も多いと思います。この企画は、12月25日までの期間限定のイベントです。まだ、エントリー枠は十分に空いています。
今回の企画に参加された方限定で、希望者はプレゼントとして、クリスマスツリーを中心に参加者が集うイラストをさんがつさんが描いてくださる予定です。
もしも、Bloggerユーザーの方、またはBloggerユーザーでなくても、エントリーの記事などをご覧になって、楽しそうだと思ったり、参加してみようかとお考えになった場合には、ご参加をお勧め致します。きっと良い思い出になると思います。
今回の企画に参加された方限定で、希望者はプレゼントとして、クリスマスツリーを中心に参加者が集うイラストをさんがつさんが描いてくださる予定です。
もしも、Bloggerユーザーの方、またはBloggerユーザーでなくても、エントリーの記事などをご覧になって、楽しそうだと思ったり、参加してみようかとお考えになった場合には、ご参加をお勧め致します。きっと良い思い出になると思います。
よろしければ、是非、参加をご検討ください。
大変長い文章になってしまいました。ここまで読んで下さった方々、ありがとうございました。
大変長い文章になってしまいました。ここまで読んで下さった方々、ありがとうございました。
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